小沼ようすけさんのひとことが私のギター人生を変えた🎸〜前編〜

はじめに
これは、私が小沼さんのマンツーマンレッスンの時に本当のグルーヴを体験し、その後のギター人生を大きく変えてくれた、たった1回のレッスンの記録になります。
この素晴らしい体験を、ぜひ皆様と共有したいと思い。
きっかけ、出会い、レッスンとさかのぼってお話ししていきます。
小沼さんとの出会い

まだ20代の頃で、ヒップホップとジャズのユニットを中心に活動していた頃、小沼ようすけさんの音楽と出会いました。
その演奏は、とても滑らかで、歌う様なフレーズ、センスのあるオリジナル曲など、こんなジャズギタリストが日本にいたんだ!と当時はかなり衝撃でした。
その時期を境に実際に小沼さんのフレーズをコピーしたり、じっくり聞き込んだりと影響を受けました。
ただ、小沼さんは東京を拠点に活動されており、あまり関西方面、特に神戸でのライブは少なかったので、実際に生で見ることはありませんでした。
しかし10年ほど前に、母校である神戸の甲陽音楽院に、小沼さんがトニーモナコ、ジーンジャクソンのオルガントリオを引き連れて、ライブとワークショップを開催するという情報を得ることができたのです。
私は、迷わず参加することにしました。
聞けば、そのトリオとセッションタイムもあるとのこと。
当日は、もちろんライブは素晴らしい内容でした。
ワークショップでは、主に他の演奏者とどう対話するか?
タイム感の違いからくるグルーヴの捉え方など目から鱗のものばかりでした。
そして、小沼さんが。
「誰かトニーモナコ、ジーンジャクソンの2人とセッションしたい人」
と参加者を募りました。
しかし、あまりに圧倒的な演奏を目の当たりにしたからでしょうか。
会場は静まり返り誰も手を上げませんでした。
私は迷わず手を上げ、セッションさせていただきました。
そこでのプレイを小沼さんは気に入ってくれたらしくて、ライブを聞きにいった際にも気さくに話しかけてくださる様になりました。
当時は分からなかった、エレキ弾いてる?の一言

それから、僕はアルゼンチンのコンテンポラリーフォルクローレのアコースティックで静かな世界に魅了されて、クラシックギターを熱心に練習する様になり、段々とエレキを弾く機会が減ってきました。
そんな時、ライブなどでお会いした際に小沼さんは。
「エレキは弾いてる?」
と、気にかけてくれていました。
当時は。
「最近はあまり弾けてませんね。」
と答える程度で、その言葉の意味まで深く考えてはいませんでした。
しかし、クラシックギターに傾倒していても、何故かその言葉だけはずっと心の中にあったのです。
そこから、コロナ禍もあり世の中が大きく変わりライブも思うように足を運べなくなってきた頃からでしょうか?
次第に小沼さんのライブにも足を運ばなくなりました。
再会〜マンツーマンレッスン〜
その後は、ギターレッスンを中心に、自身の企画したソロギターコンサートを中心に活動していました。
しかし、彼の音は新譜が出る度、音を聞いたり、インスタで同行などは追っていました。
そして、ある時小沼さんのマンツーマンレッスンの告知がインスタのリールで流れてきました。
僕は、直感でこのレッスンは必ず受けるべきだと感じ、すぐに申し込みをしました。
すると、数少ない募集枠の中から見事レッスンに参加させていただけることとなったのです。
せっかくの機会、一流のジャズギタリストである小沼さんとセッションできる機会はそうありません。レッスンでの曲は何が良いだろう?
と考えました。
彼のオリジナルも良いかな?と考えましたが、もっと気軽なセッションで、かつ小沼さんのアプローチが知れる様な曲が良いと思い、
酒とバラの日々を選びました。
そこからは、このご縁をより良い時間にするため、以下のことを注意深く練習しました。
①イントロは必ず自分で出すこと。
②テーマは外さない、しっかり明示する。
歌う。
③伴奏は堅実に、タイムは崩さない。
④ソロは自分の中から、その時に湧き出たものしか弾かない。
⑤二人の対話を意識する。
⑥終わり方も大事にする。
このような事を意識しながら当日に向けて準備を進めました。
いざ迎えたレッスン当日

そして迎えたレッスン当日、緊張しながらも、どこかワクワクするような不思議な感覚でした。
受付の方と世間話やギターの話などで緊張が少し解けてきました。
そして、ドアを開けてレッスン室に入ると、小沼さんが。
「久しぶりだね」
「ギターめっちゃかっこいいね、どこのやつ?いつ買ったの?」
と、まるで数十年来の友人のように気さくに話しかけてくださいました。
ここで、私はあることを感じました。
小沼さんは、ただ雑談を気さくにしているだけではありませんでした。
初対面や久しぶりのレッスンでは、誰でも緊張します。
その空気を察して、自然に緊張を解いてくれる。
一流の演奏家である前に、一流のコミュニケーターでもあるのだなと感じました。
また、気づけば私がいつも何気なくしている生徒さんとのやりとりに、こうう効果もあるのだなと感じました。
音を出した瞬間から別世界へ

そして。
「今日は何する?」
と、自然な流れで今日の課題曲の話になりました。
それは。
「今日のご飯何にする?」
と言う会話くらい自然なものでした。
そこで、私はすかさず。
「酒バラでお願いします。」
と伝えました。
すると、小沼さんは。
「ああ、酒バラね。オーケー、じゃあやろうか!」
と一言。
再度チューニングを確認して、僕がイントロを出し始めました。
そして、私はテーマを弾き始めるのですが、そこでの小沼さんのバッキングが、あまりに次元が違う事に気づき、戸惑いました。
拍はそこにあるのに、自分の知っている拍とまるで違う。
自分がどこにいるか一瞬見失うような感覚になったのです。
後編へ続く
