たかが選曲、されど選曲〜お気に入りの曲が生徒さんを笑顔にした理由〜

はじめに

ギターレッスンをしていると、技術的な成長とは別に、「空気が変わる瞬間」があります。
今回、その瞬間を改めて実感しました。
発表会を終えた生徒さんとのレッスン。
発表会の振り返りをしたり、雑談をしたりしながら、次に取り組む曲を一緒に決めていく流れでした。
実は、この方に合う曲を発表会の直後に何曲か候補が上がっておりました。
こちらの生徒さんは、ナイロン弦のアコースティックギターでありながら、レッドツェッペリンなどのロックアプローチのテイストを好まれる方でした。
レッドツェッペリンは発表会で何回か弾いたことがあり、ここ最近はリフがメインの曲が多かったので、こう考えました。
このままリフの路線をもう少し押すか、、、。
それとも少し違う方向にシフトするか、、、、。
そこでの候補曲は。
①smells like teen spirits/ニルヴァーナ
②見つめていたい/ザ・ポリス
の2曲でした。
①のニルヴァーナはリフは立つけどアコースティックソロとしてはやや難しい。
ポリスはadd9のコード展開がとても綺麗なので、新境地になるかと思い、楽譜を忍ばせてレッスンに向かいました。
生徒さんの方からも提案があったのですが、先生セレクトの曲を知りたい、との事でポリスの見つめていたいを提案しました。
するとその瞬間。
「うわー、めちゃくちゃ好きな曲です!」
と、一気に表情が変わったんです。
そして、この輝きを逃すまい、とすぐさま見本演奏し、ポジション確認、イントロのフレーズを弾いてもらいました。
すると、以前よりも弾ける速度が速くなってる事が驚きでした。
音が前向きで、反応が早く、何より楽しそうに弾いている。
「好き」がすべてを変える

改めて感じたのは、人は“好きな音”に対しては、自動的に集中できるということです。
・もっと良く弾きたい
・この曲をちゃんと鳴らしたい
・かっこよくしたい
こういった意欲が、自然に湧いてくる。
これは、どんな練習メニューよりも強い力です。
「選んでもらった」という信頼

さらに今回大きかったのは、
「先生が自分に合う曲を選んでくれた」
という感覚でした。
レッスンの最後に、
「さすが良いセレクトですね。分かってくれてますね」
という言葉をいただきました。
とても嬉しく思ったのと同時に、ギターレッスンをする上でのやりがいを感じる瞬間でもありました。
この方は、もう4年ほど通っていただいていて、何気ない音楽トークの中から、本人の方向性やこだわりポイントなども、段々とわかってきている様に感じましたので、今回の選曲に至ったのだと思いました。
そして、今回の提案で。
・自分の好みを理解してくれている
・ちゃんと見てくれている
・任せても大丈夫
という信頼が生まれました。
曲選びは“技術以上に大事”

レッスンではつい
・弾きやすいか
・レベルに合っているか
・練習になるか
を優先しがちです。
もちろんそのことも、とても大事なことです。
弾ける曲、技術的に上手くなることは目標の一つです。
ただ。
「その人が弾きたくなるか」
は、もっと重要だと感じています。
そして、弾きやすさと、弾きたくなるような好きな曲。
この二つが組み合わされば最強!!と感じています。
今回のように
・少し余裕のある難易度
・音の魅力が分かりやすい
・本人の好みに合っている
この3つが揃うと、レッスンの質が一段上がります。
理解されている感”が成長を加速させる

人は「自分を分かってくれている人」の言葉は素直に受け取れます。
逆に「見られていない」と感じるとどれだけ正しいアドバイスでも入りません。
だからこそ。
・普段の会話
・好きな音楽の傾向
・性格やテンポ感
こういったものをしっかり感じ取ることが大切です。
鈴木健一郎ギター教室では、一人一人の性格、方向性、出したい音を細かく見ていくので、技術や音だけでなく、こうした音楽的背景も重視した上で、その方一人一人にあった曲の提案をしていきます。
もちろん、お気に入りの曲を持ってきてくださるのも大歓迎です。
音楽は“人”から始まる

今回のレッスンを通して、改めて思いました。
音楽を教えるのもそうですが、その人の中にある音を一緒に見つけていくという感覚も大事だという事。
ある生徒さんは、昔よく聞いていた思い出の曲かもしれません。
また、ある生徒さんは、ライブで衝撃を受けたアーティストの名演奏かもしれません。
何気ない会話の中で、一緒に見つけていき、形にしていく。
そしてそれがハマった時、生徒さんは一気にイキイキとし始めます。
まとめ

・好きな曲は成長スピードを一気に上げる
・「選んでもらった」という体験は信頼につながる
・曲選びは技術と同じくらい重要
・“理解されている感”がレッスンの質を変える
自分に合う世界観や今の自分の技術で弾く事ができる、あるいは無理せず、でも少し頑張ったら手の届く、そんな曲に触れると一気に世界が開きます。
私自身も、ギターを習得する上で、憧れの曲を弾きたい、あのギタリストの様に弾けたなら、、、。
というモチベーションがギターを上達するきっかけとなりました。
そうした、自分らしい曲との出会いは、音楽を、ギターをより楽しいものにしてくれます。
そして、その曲を弾くために必要な技術をレッスンで丁寧に解説していきます。
どうか、皆様のギター人生が豊かになるような素敵な1曲との出会いがありますように。
