軌跡が奇跡になるギター発表会〜音が生まれた時間〜

教室ブログ

はじめに

この日は、日頃のレッスンの成果を披露するギター発表会でした。

生徒さんにとっては自身の演奏を披露し日頃のレッスンの成果を確認したり上達を感じれる場です。
ですが実際に感じたのは、「上手く弾く場」ではなく、一人ひとりの音がそのまま現れる日だということでした。

それは、生徒さん一人一人の背景や、まさに生活から滲み出る音、そのもののような気がします。

会場にはほどよい緊張感と、どこか温かい空気が流れていました。
生徒さんの身内の方や、見学されている生徒さんが同じ空間に居る。

このように見守る人、挑戦する人、その両方が同じ空間にいることで、特別な時間が生まれていたように思います。

初めて人前で弾くということ

人前で弾くというのは、本当に緊張し、尚且つ勇気のいることです。

私自身も、高校生の時の初ライブの事を今でも覚えていますが、極度の緊張や練習した通りに弾けない。

音がプツプツ切れるなど悔しい思いをしました。

今回、特に印象的だったのは、習い始めてもうすぐ1年になる親戚の叔父の演奏です。
人前で弾くのは初めて。

そして、映画音楽のひまわりのソロギターアレンジバージョン。

これは、指使いや音使いともに難しく、初心者でもなかなか手が出ない一曲。

そして、その曲をチョイスし、発表会で披露したいという心意気が素晴らしいと思いました。

曲紹介では、ウクライナの戦争と曲の背景などを絡めて自身の思いを話されてたのが印象に残りました。

途中で弾き直しがありながらも、最後まで弾ききった姿には大きな拍手が起こりました。

これは単なる演奏ではなく、**“音楽の中に一歩踏み出した瞬間”**だったと感じています。

上手いかどうかではなく、やり切ること。
その価値を改めて実感する場面でした。

崩れそうで崩れない演奏の強さ

発表会では、完璧ではないけれど崩れない演奏がいくつもありました。

ツェッペリン「移民の歌」に挑戦したロック好きの生徒さんは、いつも発表会ごとに大きくチャレンジをされていて、今回も、ギターのテクニック的に難しい6度のハーモニーが入っている難所がありました。

本番では揺れながらも、最後までまとめきりました。

この生徒さんは、レッスンではミスがあっても本番で仕上げてくるとても頼もしい方です。


また、フリアフロリダを演奏した音色にこだわる生徒さんは、レッスンに来た当初はきちっと音を出そうと頑張ろうとするあまりに少し硬さがありました。

クラシックをこう弾かないと。

というプレッシャーも感じておられる様子でした。

しかし、レッスンでポップスの曲に取り組んだり、呼吸法を取り入れたことで、気負いがなくなったようでした。

本番は少しテンポが前に行きながらも、リラックスされて、美しい音でしっかり完走されました。

この“崩れそうで崩れない”経験は、次の成長に直結します。
むしろ、この段階を越えた人は確実に伸びていくと感じています。

表現の余裕が生まれる瞬間

エレキギターで「A Whole New World」を演奏した洋楽フィンガーピッキングスタイルの生徒さんは、教室に通い始めて6年にもなる教室いちばんの古株の生徒さん。

発表会経験も多く、回を増すごとに、安定感が出てきているとひしひしと感じておりました。

今回は、演奏前の曲紹介で会場の笑いを誘い、場の空気を和らげていました。
これは単に話が上手いということではなく、音楽全体をコントロールする余裕が生まれている証拠です。
演奏だけでなく、その前後も含めて音楽になる。
そんな段階に入ってきているのを感じました。

もちろん、演奏も素晴らしく流石の安定感でした。

音楽が“ライブ”になる瞬間

クラシック歴がとても長い重鎮の生徒さんは「魔笛の変奏曲」を堂々と演奏。

この曲はなんと10分近くもある大曲なのですが、ほとんどミスなく弾き切っておられました。

練習の段階では、セクションをドラマや映画のストーリーに喩え、それぞれの場面に自分なりの意味をつけるという方法で弾きやすくしました。

また、楽に演奏できる箇所を給水ポイントと名づけ、長い曲もダレない工夫をしました。
そのままの流れで、なんと2曲目「グラナダ」に突入するという展開に。

予想外の流れに会場も一気に引き込まれ、発表会という枠を超えて、ライブとしての一体感が生まれていました。

こうした瞬間があることで、場が一気に活きてきます。

見学の方への配慮と空間づくり

今回、新しく見学に来られた方もいらっしゃいました。
最初に「見学の方です」と紹介することで、その方が場の一員として自然に存在できるよう意識しました。

発表会や交流の場では、どうしても内輪の空気が生まれがちです。
だからこそ、最初の一歩として“ここにいていい”という空気を作ることが大切だと考えています。

実際に見学の方からは「勇気をもらえた」との言葉もあり、この時間が新たな一歩に繋がったことを嬉しく思います。

演奏の後に生まれる時間

最後は、講師としてオリジナル曲「Blue Bottle」を演奏し締めくくりました。

その後は真空管アンプでジャズを流しながら、コーヒーを片手に歓談の時間へ。

喫茶ティンカーベルのある塩屋の話や、ギターの話、練習の話、ヴィンテージギターは本当にそんなに音がいいのか??

という話まで、とても盛り上がりました。
演奏が終わったあとにこそ、このような本音の会話や交流が自然と生まれていきます。

この“余韻の時間”も含めて、発表会だと感じています。

音が教えてくれること

今回の発表会を通して強く感じたのは、
音にはその人自身がそのまま表れるということでした。

技術だけではなく、向き合い方や日々の積み重ねが、そのまま音になる。
だからこそ、上手い・下手だけでは測れない価値があります。

そしてもう一つ。
人前で弾くことでしか得られない成長が確実にあるということ。

今回の発表会では、講師自身もそのことに大きく気づかされました。

これからに向けて

今回の発表会で見えたそれぞれの課題や可能性は、これからのレッスンにしっかり活かしていきます。

「うまく弾く」だけで終わらず、その人の音が自然と滲み出るような演奏へ。

そんな音楽を、一緒に育てていけたらと思います。

発表会はゴールではなく、また新しいスタートです。

最後に、このかけがえのない時間は、どこか懐かしい感覚を呼び起こしてくれました。

子どもの頃、正月に親戚が集まったときのような、あのあたたかい空気。

他人でありながら、どこか家族のようでもある。
そんな時間が、確かにここにありました。

これからも、そんなアットホームなギター教室を作っていきたいと、強く思います。

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